不妊治療
はじめに
当院は、米国および日本において25年間にわたり産婦人科診療と不妊症治療の実施経験を有する朝倉院長の理想とする診療を実践する目的で運営されています。妊娠を希望されるご夫婦へは、より早期に夢を実現できることを目標としながらも、診療や通院および費用による負担にも配慮しつつ、患者ご夫婦の考え方、ライフスタイルにあった診療を提案いたします。当院職員全員が、この方針に沿ってご来院いただく皆様への診療を担当させていただきます。
不妊症治療について
治療の基本方針
不妊治療では、「すぐに体外受精をすすめられる」、「結果が出ない同じ治療を繰り返し行わせる」、「治療の根拠や効果および副作用などの説明が十分なされないまま、治療が進められる」といったことがあり、思うような結果が得られないばかりか、身体的な負担に加えて、長引く治療により精神的な苦痛を受け、高額な医療費により生活自体も脅かされる原因となることがあります。
当院では、患者さまの医療判断の決定には、慣例的にステップアップさせるのではなく、臨床的および科学的根拠に基づき、患者さまおひとりおひとりに対し、最新で最善と考えられる方法を選択できるように、根拠に基づく医療(EBM:Evidence Based Medicine)の実施をいたします。
主な不妊症治療の基本的な内容
タイミング療法
自然な月経周期または、お薬によって調節された排卵が起こる時期を予測して、卵子と精子が受精するのに最も適した時期に、夫婦生活を持っていただく治療を指します。当院では、基礎体温だけでなく、超音波検査や尿ホルモン検査などを用いて、排卵の時期をより的確に予測します。なるだけ自然な排卵が起こることを患者様とともに待機するようにしています。
人工授精
タイミング療法では十分な数の精子が卵子かない男性因子がある場合や、一定期間以上のタイミング療法にて結果が得られない場合に勧められる2段階目の治療です。できるだけ排卵に近い時期に、検査室で洗浄・濃縮されたご主人様の精子を、奥様の子宮・卵管内に丁寧に注入いたします。
体外受精・顕微授精
繰り返し人工授精が不成功や、他の原因で体内での受精が困難な場合に実施される3段階目の治療で、特に卵子の受精を卵子内に精子を注入する方法は顕微授精と一般的に呼ばれています。ともに卵子を体外に取り出して精子と受精させ、奥様の子宮内に受精卵となった卵を移植いたします。
当院の不妊治療の特徴
プライバシーを重視した外来診察
当院での診療は、医師と面談を行う問診室(3室)と診察を行う診察室(6室)はすべて個室形式で、また院内ではお名前の代わりにご来院時にお渡しする受診票の番号にてお呼び出しを行い、患者様のプライバシーは完全に保たれます。
患者様の個別性と納得を重視して進める検査と治療
妊娠への検査と治療の進め方は、その内容および進める速度は、患者様の状況によって異なると医院は考えます。当院では定型的な診療を押しつけるのではなく、不妊症の原因や適切なステップアップの必要性だけでなく、患者様のライフスタイルや価値観についても関心をもちつつ、無理のない診療を進めることを重視しています。検査や治療について納得してお受けいただけるよう、各種セミナーやブログ等にて情報提供を積極的に行っています。
高品質で最善・最良の医療の提供
少しでも患者様の妊娠達成への期待に応えるには新しい治療を取り入れることも重要ですが、当院では根拠と安全性が確認された診療を中心に据えています。日進月歩の不妊症治療について、学会での動向や当院からの学会発表などを通じて最先端の診療について常に関心を持ちつつ、治療をお受けになる患者様にとって最善であり最良の治療を、専門医である院長が自信をもって提供いたしております。
男性不妊症
不妊症は女性側だけの問題ではなく、ご夫婦単位での不妊症の原因では、約30%に男女両方に、約20%に男性側に主な原因が見つかります。
男性因子(精液所見の異常)の問題が重症(精子の数および動きがより少ない)であるほど、奥様が妊娠するまでの時間がかかり、可能性も低くなることが知られています。
よって、検査の早い段階からご主人様が精液検査をお受けになることが、大変重要となっています。
いつ男性不妊症外来を受診するべきか
当院では、男性因子をおもちの患者様へ泌尿器科における男性不妊症専門医による外来を開設し、下記の様な患者様に対して受診をお勧めしています。
- 精液検査に不妊原因となる異常が見つかった場合
- 停留睾丸、前立腺炎や糖尿病など、男性疾患や合併症がある場合
- 奥様が高齢であったり、ご自身の妊娠させる能力に不安がある場合
各種相談室へのご案内
当院では医師が主体でおこなう診療だけでなく、それ以外の患者様のお悩みを傾聴し、身体と心のバランスを健やかにする専門のスタッフによる各種相談室を開設しています(一部有料)。
不妊相談室
日本看護協会の不妊症看護認定看護師と助産師による患者様へのアドバイスならびに生活指導を行います。
栄養相談室
認定栄養士によって、体重調節や女性特有の冷えの対処など妊娠への身体づくりに役立つ食生活の指導・アドバイスを行います。
心理カウンセリング
認定臨床心理士との面談により、診療だけでは解決できないご家族や職場などにおける人間関係から生じる悩みや、妊娠への治療に臨まれる際の不安や悩みなどを傾聴し、より充実した心のあり方に向けての支援させていただきます。
遺伝カウンセリング
既に遺伝性疾患がある場合または将来、次世代に遺伝疾患が生じる可能性がある場合(高齢妊娠など)に、認定遺伝カウンセラーが個別の患者様の背景をお聞きした上で、疾患の影響や可能性についてわかりやすく説明させていただきます。
不妊鍼灸相談
当院の不妊鍼灸では、西洋医学と東洋医学の調和をはかり、妊娠しやすい体作り、西洋医学の治療がより反映されやすい体作りをお手伝いさせて頂いております。
心が焦り体が冷えたり、循環が悪くなると妊娠しやすい体から遠のいていうこともあります。
逆に体の中の血(けつ)、気(き)、津(しん)の流れが悪くなると健康バランスが崩れ、なかなか期待する妊娠の結果が得られず心が病んでしまうこともあります。
不妊治療はとてもデリケートな治療です。
西洋医学の治療をよく把握した鍼灸師が妊娠しやすい体作りと心のケアを心をこめて行います。
鍼灸治療の流れとメニューはこちらからご覧頂けます