膣内細菌叢(膣内フローラ)検査
🧬膣内細菌叢(膣内フローラ)検査とは
不妊や流産にお悩みの方へ
・最近の研究で、膣の中にいる細菌(膣内フローラ)が妊娠のしやすさや流産のリスクに関係していることが分かってきました。
・この検査では、最新の「次世代シークエンサー(NGS)」という技術を使い、膣内の細菌を詳しく調べることができます。目に見えない菌のバランスを把握することで、妊娠の妨げになっている原因の一つを見つけられるかもしれません。
・子宮内細菌叢の検査とは異なり、膣内細菌叢の検査は時期を選ばず、膣内上部の子宮頸管近くの粘液を綿棒でぬぐうだけで完了します。子宮内膜に影響を与えることがありません。
🔍なぜ細菌の検査が妊娠と関係あるの?
- 健康な膣の中には、ラクトバチルス(乳酸菌)という善玉菌が多く存在します
- この乳酸菌が膣内を守り、受精卵が着床しやすい環境をつくっています
- 一方で、乳酸菌が減って悪玉菌が増えると、着床しにくくなったり、流産しやすくなったりすることがあります
🧪この検査でわかること
- 善玉菌(乳酸菌)の割合
- 妊娠に悪影響を及ぼす可能性のある菌の有無
- 不妊や流産の原因の手がかり
これらの情報をもとに、体質に合った治療方針を立てることができます。
当院での臨床研究結果を紹介いたします。
🌸こんな方におすすめです
- 原因不明の不妊が続いている方
- 胚移植をしてもなかなか着床しない方
- 流産を繰り返している方
- 妊娠中のトラブル(早産など)を予防したい方
- 妊娠を目指す前に体を整えておきたい方
💊検査後の対応について
細菌バランスに乱れが見つかった場合は、以下のような対策を行います:
- 乳酸菌の補充(プレ・プロバイオティクス)
- 抗生物質の使用(必要な場合のみ)
- 生活習慣のアドバイス(食生活・腸活・清潔習慣など)
場合によっては、治療後に妊娠率や流産率が改善されたという研究報告もあります。
📌ご注意ください
- この検査は現在、**保険適用外(自費診療)**です
- 検査前は48時間の禁欲と、膣洗浄の回避が必要です
- 検体は院外の検査施設で分析を委託します。結果が出るまでに1〜2週間かかります
🍀最後に
この検査は、妊娠しやすい身体づくりの一環として、近年注目されています。
不妊や流産の原因は一つではありませんが、膣内の環境を整えることが妊娠への近道になる可能性もあります。
ご質問があれば、どうぞ遠慮なくご相談ください。
私たち医療スタッフが、あなたの未来を一緒にサポートいたします。
(文責: 生殖医療専門医 朝倉寛之)