当院の臨床研究について
患者の皆様への診療を通じて得られた情報を元に、新しい不妊症治療の検査や治療を開発することを、当院は重要な目標としています。厚生労働省が制定した「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に沿った臨床研究の進め方を当院の倫理審査委員会が審査・認定し、ホームページで情報公開いたします。
下記の臨床研究について、疑問やご質問、あるいは同意撤回をご希望になる場合には、当院倫理委員会(電話:06-6311-2511)までご連絡ください。
医学研究および教育への包括同意に関する説明
扇町ARTレディースクリニックを受診された患者さんへ
診療情報・試料等を医学研究・教育に利用させていただくことに対する包括同意のお願い
はじめに
当院は、地域社会においてより良い診療を行う役割を担っています。そのため、診療・医療技術の向上を目指した医学研究や医療従事者の教育には、皆様の診療情報や試料等(カルテ情報、レントゲン写真・内視鏡写真等の画像情報、血液・尿などの検査等)を活用させていただく必要があります。
そこで、これら診療に伴い発生する診療情報や試料等を今後の研究・教育などに利用することについての同意(包括同意)をお願いする次第です。
診療情報と診療に伴い発生する試料等について
診療情報とは、診療録(カルテ)、レントゲン写真や内視鏡写真、身体の写真などの画像情報と血液検査、病理検査などの検査結果のことです。診療に伴い発生する試料等とは、臨床検査に用いた血液、尿、精液、卵胞液や培養液など、診断のための生検(内視鏡検査や超音波検査などの際に組織の一部を採取すること)組織、手術で切除した組織、そして研究目的で廃棄を同意いただいた凍結受精卵、卵子などを指します。
「包括同意」について
包括同意とは、診療に伴い発生する診療情報や試料等を今後の医学研究・教育などに利用することに対してご同意を頂くことです。個々の研究の内容については院内の倫理審査委員会等で審議されます。これにより承認された範囲において、患者さんの不同意の意思表示がない場合にはその試料等を使用させて頂くことになります。また、過去の試料等もその対象となります。
医学研究や教育への利用に関する基本方針について
診療情報や試料等を医学研究や教育に利用するときは、個人情報の保護を徹底し、個々の研究は「臨床研究に関する倫理指針」等の法規・規範の遵守等について院内の倫理審査委員会等での審査承認を受けてから行われます。
なお、臨床検査に用いた血液や組織などの残余試料を研究・教育目的で保存する場合、この包括同意とは別に対象の患者さんからインフォームドコンセントを文書同意にて頂いた上で行われます。従って、この包括同意のみで患者さんの血液や組織が研究・教育目的で保存されることはありません。さらに、新たな介入をともなう臨床研究をおこなう場合にも、この包括同意とは別に対象の患者さんからインフォームドコンセントを文書同意にて頂いた上で行われます。さらに過去の試料を含む残余試料を用いた新たな研究、教育を行う場合は、口頭同意、連結不可能匿名化、情報の通知または公開等の厚労省のガイドラインで定める必要な措置を講じ、外部委員を含む当院倫理審査委員会での審査を受けた上で行われます。また、包括同意のみで当該試料等を用いて生まれつきのヒトの遺伝子の異常を調べるための遺伝子解析研究が行われることはありません。
想定される医学研究と情報の公開について
診療情報や試料等を用いた医学研究には、病気の特徴を調べる研究、実際に行われた治療法の効果などを調べる研究、あるいは新しい診断法や治療法を開発する研究などが含まれます。そして、その研究の結果は学術雑誌や学会などで公表される場合がありますが、その際に個人を特定できる情報は一切公表されることはありません。また、これら包括同意により行われる医学研究のうち対象患者さんへの情報公開が文科省・厚労省の定めた倫理指針に規定されているものにつきましては、その研究が実施されている期間中は当院のホームページに掲載致します。そこで研究の内容と使用される診療情報等をご覧になり、ご自身の診療情報等の使用を希望されない場合や説明等をご希望の場合には掲載されている問い合わせ先にご連絡下さい。
自由意思による同意、不同意 および撤回について
上記の包括同意は患者さんの自由意志によるものです。また、一度同意された後でも随時撤回できますが、原則として不同意の意思表示がない場合にはご同意頂いたものとして診療情報・試料等を研究・教育に使用させて頂きます。
診療情報・試料等の医学研究・教育への利用についてご同意いただけない場合は、当院受付にお申し出頂き、不同意確認書にご署名の上ご提出をお願い致します。この不同意確認書は当院のホームページからでもダウンロードできます。
なお、ご同意頂けない場合でも診療上の不利益を受けることは一切ありません。
未成年 または ご判断が困難な患者さんにおける同意、不同意 および撤回について
未成年または同意・不同意のご判断が困難な患者さんの場合には、代諾者(保護者、法定代理人、ご家族等)の方にご判断をお願い申し上げます。ただし、今後ご自身で判断できる年齢や状況になられましたらご本人からのお申し出を尊重させて頂きます。
最後に
今後とも皆様により良い医療を提供するために、診療に伴い発生する情報や試料等を医学研究と医学教育に使用させて頂くことについてご理解とご協力をお願い申し上げます。
※ご不明な点がございましたら、当院倫理審査委員会(代表06-6311-2511)までお問い合わせ下さい。
医療法人愛生会扇町ARTレディースクリニック
院長 朝倉寛之
(臨床研究同意撤回書)の添付
現在実施されている個別の臨床研究
- 膣内細菌叢と胚移植臨床結果の関連についての研究
膣細菌叢と胚移植結果情報公開pdf - 人工知能によるヒト胚のtime-lapse観察データを含む多変量因子を用いての不妊症治療の予後予測モデルの確立
AIと胚移植予後情報公開pdf
【日本生殖医学会学術講演会】当院発表研究資料を11月14日頃まで公開いたします。
2019年11月7−8日に神戸市で開催されるに日本生殖医学会学術講演会において当院が発表する研究の資料を11月14日頃まで公開いたします。
O-079: 次世代シークエンサーによる腟内細菌叢の結果と胚移植結果の関連:単施設の二重盲検法による前向きコホート研究のパイロットスタディ
http://bit.ly/2K8DlzF
O-103: 人工知能(AI)・機械学習アルゴリズムを用いたタイムラプス観察胚を移植した結果の予測精度
http://bit.ly/2PN83ln
O-242: 凍結受精卵の「メモリアル廃棄」を希望する患者背景と生殖看護の関与についての検討
http://bit.ly/2WOtofJ